営業再開初期においては通常の集客が難しいと考え、休前日や繁忙が予想される時のみ営業することを考えているみなさんも多いと思います。ここでは、「限定営業における収支計画・資金繰り計画」の参考事例を紹介し、限定期間の営業を想定した計画づくりに生かしていただきたいと思います。
作成の目的は、当座不足する運転資金の積算と資金調達要請先である金融機関に提出する資料作成となります。
限定営業収支想定から資金繰り想定の流れ
限定営業収支予想作成
収支予想の基本型となる年初に立案済みの月次損益計算書を基本形として、ひと月のうち、ある程度の稼働が期待できる日数を設定するとともに、市場の変化を考慮の上KPI(宿泊単価、客室稼働率、一室平均宿泊人数)を必要に応じ変更します。
変動費は、営業日数・稼働率の変化に合わせ変更します。人件費のうち、社員人件費については業務内容を精査し、極力残業代が発生しないよう配慮するとともに、出勤調整を行い雇用調整助成金の受給を計画します。外注委託費については、契約内容を協議し圧縮可能であれば勘案します。
年次月次資金繰り作成
<収入>における“雇用調整助成金”、<支出>における緊急措置令による“社会保険料等の支払い延納”、<財務>における金融機関との協議結果における返済条件変更など、コロナ禍における特記事項を勘案します。
なお、図中( )は、シミュレーション事例における設定条件ですので、それぞれ個別状況に応じて変更していただくことをお願いいたします。
作成事例
本資料は、金融機関の要請により、6月以降も祝休前日と繁忙が予想される時のみ営業した場合の資金繰りを想定したものです。追加資金調達が最も多いケースとなります。